< 第20回総会議案 >
1.第19回総会以降の情勢
<世界の紛争>
2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵略戦争は、数次にわたる国連総会の即時撤退を求める決議にもかかわらずロシアは侵攻をやめず長期化しています。2023年10月にはパレスチナのイスラム組織ハマスがイスラエルを襲撃、これに対してイスラエルは大規模な反撃を実施し、ガザ地区では市民を中心にすでに28千人以上が死亡しています。12月の国連総会で加盟国の8割が賛成し即時人道的停戦を決議しましたが、イスラエルは攻撃をやめず、すでに自衛を超えた「ジェノサイド」との国際批判が高まっています。アメリカはロシアのウクライナ侵略には国際法違反と批判する一方、イスラエルに対しては自衛の行動として擁護する「ダブルスタンダード」となっており批判を浴びています。これらの戦争や紛争の解決には、武力ではなく国連憲章に基づく平和な国際秩序づくりが求めらます。
<核兵器廃絶の動き>
2023年5月に広島で開催されたG7で確認された核軍縮に関する「広島ビジョン」では、核兵器のない世界の実現をうたいつつ核兵器保有は防衛目的に役立つとしており、従来からの抑止論から抜け出せず、核兵器廃絶を求める人々から落胆の声が上がりました。一方、11月に開催された核兵器禁止条約第2回締約国会議には、NATOの一員であるドイツやベルギー等がオブザーバー参加する変化も生まれています。唯一の戦争被爆国である日本は不参加であり、核兵器禁止条約への参加が求められます。
<自民党裏金問題>
自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる巨額の裏金問題で、国民の怒りが大きく沸き起こっています。自民党は2024年1月に岸田首相を本部長とする「政治刷新本部」を設置し、政治資金規正法の改正等の対策を検討していますが、裏金問題の実態解明は不十分であり、根本にある企業献金の禁止には踏み込んでいません。自民党国会議員や派閥の会計責任者らが起訴されましたが、この裏金問題は単なる報告書未記載の問題ではなく「民主政治の健全な発達を損なう行為」であり、司法任せにせず議会や国民の運動で自民党を追い詰める必要があります。
<戦争する国づくり>
岸田内閣は、2022年12月に閣議決定した「安保三文書の具体化」を進めています。2023年6月には、5年間で43兆円の大軍拡のための「軍拡財源法」を成立させ、23年度軍事費は補正を含めて8.7兆円、24年度予算案も10年連続過去最大の約8兆円を計上しています。その内容は長射程ミサイルの大量導入、南西諸島のミサイル基地化、反撃に備える「自衛隊基地強靱化」など、敵基地攻撃態勢構築に向けたものとなっています。また、12月には「防衛装備移転三原則」を改定し、殺傷兵器輸出も容認しました。さらに12月末には沖縄県民の意思や地方自治を踏みにじる「代執行」により、辺野古の米軍基地の建設を強行しました。岸田首相は自身の任期内の憲法改定を表明しており、アメリカに言われるままに「戦争する国づくり」に邁進しています。
<暮らしの破壊>
ロシアのウクライナ侵攻による原材料価格の高騰、日米の金利差による円安等を原因として、2023年の消費者物価指数は前年比3.2%上昇。また、2023年度の実質賃金は前年比2.5%減と、1990年以降では2番目の下げ幅です。公的年金支給額は2.7%アップも、「マクロ経済スライド」により実質的には目減りとなっています。岸田内閣は2024年度に一回のみの定額減税を実施するとしていますが、国民の生活改善には程遠い内容です。その一方で、10月には小規模事業者等にとって大増税となるインボイス制度を導入し、高齢者の医療費のさらなる負担増、介護保険制度の改悪等も目論んでいます。また、保険証を廃止し、トラブルが相次いだマイナンバーカードへの一本化を進めています。建設費高騰で国民負担増の大阪関西万博を強行し、更には大学自治を破壊する「国立大学法人法」改悪、「経済安保」の下で軍事優先の監視社会に繋がる「セキュリティークリアランス(適正評価)制度」を民間企業の労働者や研究者まで導入する法案の準備も進められています。2月7日福島第一原発の汚染水漏えい事故が起こり、調査が完了するまでは約束違反で進めれた海洋放水は止めるべきです。
<現状変革の動き>
このような情勢のなかで、現状変革の動きも高まり、裏金問題で、岸田内閣の支持率は下がり続けています。学習会や宣伝行動を行う革新懇を始め、「九条の会」は2023年5月に東京で「大軍拡反対、憲法改悪を止めよう!」の全国交流集会を開催し、4月には損保9条の会も参加する「職場9条の会実行委員会」が結成されました。「総がかり行動実行委員会・全国市民アクション」は「改憲反対署名」と「軍拡、増税に反対する請願署名」活動や国会前での集会などをリードしています。また、12月には「市民連合」の5項目からなる政策要望を受け、立憲野党各党が基本合意しました。2月に行われた前橋市長選挙では、自民・公明が推薦する現職を野党が支援する新人候補が破り初当選、京都市長選挙では「民主市政の会」候補が、自民・公明・立民・国民が推薦する候補に肉薄するところまで善戦しました。この流れを大きくすることが求められています。
<職場は>
ビッグモーター問題、独占禁止法違反のカルテル問題で損保産業への信頼が失われる事件が相次ぎました。職場は顧客対応と金融庁指導に関する対応、社員研修、代理店への研修などに追われる一方、数字件数の達成も求められ、急速なデジタル化による混乱もあり疲弊しています。能登半島地震の対応で支援要員を出す職場も混乱しています。
Ⅱ. この1年間の主な取り組み
1.各種行動・集会への参加
①2023年5月3日(祝・水)東京有明防災公園にて「2023憲法大集会」開催 全体で2万5千人 あいおい損保職場革新懇から10名が参加
②5月12日(金)職場9条の会 新宿駅西口宣伝署名行動 あいおいは参加4名
③5月20日(土)第42回全国革新懇総会 リアル参加とオンライン参加 計3名
④6月19日(月)東京革新懇講演会「岸田大軍拡は暮らしと経済に何をもたらすか」参加6名
⑤7月29日(土)職場9条の会 渋谷ハチ公前宣伝行動 参加4名
⑥9月21日(木)東京革新懇人間講座「荒野に希望の灯をともす」上映会 参加7名
⑦10月5日(木)9条の会大集会「大軍拡反対、憲法改悪を止めよう」参加4名
⑧10月7日(土)東京革新懇 職場・団体学習交流会「新しい戦前にしないために」参加4名
⑨10月21日(土) 損保・生保9条の会合同講演会 「改憲と大軍拡で日本とアジアの平和はつくれるのか?」 講師:渡辺 治氏 参加19名、終了後の懇親会は参加15名
⑩11月3日(祝・金)国会前憲法大集会 参加7名
⑪12月9日(土)職場9条の会 第3回宣伝行動 新宿アルタ前 参加3名
⑫2024年1月27日(土)東京革新懇総会 参加5名
⑬毎月19日 損保9条の会事務局会議 終了後、有志で国会前行動参加
⑭職場9条の会事務局会議に参加
2. 2023年12月10日(日)フリートーク企画(ZOOMにて)
賛同者5名、世話人7名が参加し、損保の現状や国内外の情勢について意見交換
3.「平和、いのち、くらしを壊す大軍拡、大増税に反対する請願署名」の取り組み
昨年度より引き続き、10月21日現在425筆集約 行動参加は世話人、賛同者、職場関連の有志あわせて80名 8月4日に署名の名称変更あり取り組み継続中
4. ホームページへの投稿
① 2023年5月16日「くらし平和を守ろう-岸田政権の大軍拡・大増税反対の取り組みを続けよう」
② 9月7日「福島第1原発の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出に反対します」
③ 2024年2月6日「自民党の裏金疑惑を解明し国民本位の政治を取り戻そう」
5. あいおい損保職場革新懇ニュース発行
No.101 第19回総会報告「2023憲法大集会」報告「前進続く杉並区」
No.102 原水爆禁止2023年世界大会 「岸田政権の強権政治に対して」アピール
No.103「『お客さま第一」はどこへ行ったのか?ビックモーター事件、カルテル問題に思う』」・12.10 フリートーク発言報告
Ⅲ. 2024年度の活動方針
「職場を変える」「地域を変える」「政治を変える」そして「社会を変える」取り組みを進めます
1. 取組む課題
(1)政治的な課題 市民と野党の共闘に参加
① 自民党の裏金疑惑の解明を求め、大企業のもうけ優先の自民党政治をストップさせます。
② アメリカいいなりの大軍拡と軍拡の為の大増税、憲法9条の改憲に反対します。
③ 核兵器禁止条約への早急な署名批准を日本政府に求めます。
④ 都知事選挙では、財界ファーストの小池都政から都民本位の都政に切り替えます。
⑤ 衆議院選挙・補選で自民党政治を終わらせるため力をつくします。
⑥ 日本学術会議の会員選考や運営へ政府が介入する法人化に反対します。
(2)労働者、市民の権利を守る課題
① ストップ過労死の課題として支援を続けてきましたが、森友公文書改ざん訴訟で行政文書を開示せず佐川氏の責任を問えないとした大阪地裁の判決を不服として、高裁に上告した赤木雅子さんを支援します。
② 職場の仲間の声を集め、共に歩む取り組み
BM・カルテル等、利益至上主義により起きた問題の本質を共に学び、様々な困難に置かれている職場の実態を共有します。仲間の声を集める為に話し合いの場を作り、つながりを大きくすることに努めます。
③ その他、不当労働行為、権利侵害の闘いの支援
地域や職場で闘われている様々な課題を支援します。
(3)気候危機・環境問題、ジェンダー平等に対する課題
気候危機による大規模な自然災害発生は、損保産業と職場に大きな影響をもたらします。気候危機に対する学習と発信を強める取り組みを行います。またジェンダー平等について語り合う場づくりと発信にも取り組みます。
(4)国民のいのちと暮らしを守る課題
①物価高騰対策の為の消費税減税・インボイス制度廃止②紙の保険証を廃止し、マイナ保険証一本化の中止③原発推進阻止④介護保険を始め社会保障の削減阻止⑤辺野古新基地強行阻止⑥大阪関西万博中止⑦能登半島地震での必要な支援要求など、国民の命と暮らしを守る諸課題にも引き続き取り組みます。
2.活動の進め方
(1)あいおい損保職場革新懇全体としての取り組み
① 総会のオンライン開催
今年度の第20回総会はオンラインにより開催します。学習と参加者の全員発言を基本にすすめます。
② 拡大世話人会の定例開催及びメンバーの拡充
拡大世話人のメンバーを拡充し、基本はオンライン開催で学習が出来る環境を確保しながら豊かな討議が出来るよう工夫をします。
③ 世話人会のスムーズな運営の為に「運営委員会」を充実させます。
④「革新懇ニュース」「ホームページ」の内容を充実し読まれる工夫に努めます。
⑤ 学習会、文化レクリエーション活動の開催に向け努力します。
⑥ 職場革新懇の紹介チラシなどを工夫し、賛同者やニュース読者を増やします。
⑦ 活動の基礎となる財政基盤の充実強化に努めます。
⑧ 損保9条の会、職場9条の会のみなさんと行動を共有していきます。
(2)世話人、賛同者の市民運動への参加の呼びかけ
世話人や賛同者の市民連合を始めとした様々な市民運動の経験を広く共有して、広めていくために革新懇ニュースやホームページによる情報発信を強化していきます。
Ⅴ 会計報告
「2021年10月~2022年9月末」
1.前期繰越 72,878円
2.収 入 171,000円
3.支 出 80,643円
4.次期繰越 163,235円
5. 計 243,878円 243,878円
「2022年10月~2023年9月末」
1.前期繰越 163,235円
2.収 入 6,000円
3.支 出 46,147円
4.次期繰越 123,088円
5. 計 169,235円 169,235円
(収入内訳) 前期繰越163,235円 賛同会費(10/3~11/15) 6,000円 3名
(支出内訳)3/19 会議交通費1,036円 平和チラシ郵送料110円 3/27総会講師謝礼10,000円 請願署名依頼状他郵送料10,943円 3/28ニュース100号他郵送料8,167円 5/30ニュース101号他郵送料7,271円 9/20ニュース102号他郵送料8,120円 送金手数料500円